ミーティング▲20代のクラシック/ネオクラシックカーミーティングにカーセンサー編集部が潜入


20代中心のクラシック/ネオクラシックカー乗りのミーティングにカーセンサー編集部が潜入。同じく20代の編集部員を交えた取材の様子は以下よりご覧いただきたい。


せっかくなので、集まった15台の中から今あえて60~70年代のクラシックカーを好んで乗るオーナーに、「最近のモデル」や「これからの自動車」について思っていることを聞いてみた。

答えてくれたのは「バンデンプラ プリンセス」「トライアンフ スピットファイア」「シトロエン GS」「MG MGB GT」「ポルシェ 914」「アルファロメオ 1300ジュニア」のオーナーのみなさんだ。

バンプラ▲71年式バンデンプラ プリンセス
MGB▲79年式トライアンフ スピットファイア
GS▲75年式シトロエン GS
MGB▲67年式MG MGB GT
914▲71年式ポルシェ 914
ジュニア▲70年式アルファロメオ 1300ジュニア

電動化シフトなどはアリだし欲しいとも思う

――近年自動車が電動化にシフトしつつありますよね。こういう状況って、60~70年代の旧車に乗っているみなさんは、やっぱりイヤな気分ですか?

中野(愛車:ポルシェ 914) EV自体にネガティブなイメージは全然ないですね。

山北(愛車:シトロエン GS) 航続距離がいかんせん短いことと、充電に時間がかるので、今すぐ買うかって言われたらまだ買わないですけど、今のガソリン車を超える便利さが手に入るならありだなと思いますよ。

佐々木(愛車:MG MGB GT) 結局趣味の車と普段乗り用の足車との使い分けがあるから、そのコントラストが上がるだけっていうかんじですよね。旧車では長距離ドライブあまりしたくないから、足車としてはエンジン音がしなくなって、長距離乗れるようになるとよりいいなとは思いますね。

――なるほど、旧車と電動車2台合わせてハイブリッド仕様ってことですね。今後EVの航続距離が延びてくれれば、遠出はEVで近場は旧車っていうのが理想ですか?

中村(愛車:トライアンフ スピットファイア) 距離で使い分けというよりも、趣味の車はこういう旧車で、普段の通勤は自動運転の電動車なんてウェルカムですよね。通勤中寝てたいんで(笑)。

中野 じつは今足として乗っているもう1台の車は、いつかEVにしたいなと思っているんです。

――EVに買い替える?

中野 いや、車はそのままでエンジンをモーターに乗せ換えたい。

中野

――なるほどEVコンバートですか。

ゆき(愛車:バンデンプラ プリンセス) こういうデザインって今後出てくるかっていうとどうなんだろうっていう。見た目も好きで乗ってるところもあるので、どうしてもガソリンエンジンがダメだとなったらモーターに乗せ換える道を選ぶかもしれない。

佐々木 今後ガソリンスタンドはじめエンジン車のためのインフラがどれだけ残るか次第ですよね。

――エンジン音や、ガソリンエンジンの運転感覚にこだわりは?

佐々木 僕はそこまでこだわってない。

中村 僕もわりとそんな感じですね。見た目に惚れて買ったところが大きいので。最悪エンジンが存在できないとなったら、エンジン取っ払ってでも乗ってたいなって思いますね。

西坂(愛車:アルファロメオ 1300ジュニア) イタ車はエンジンがないとダメですよ。

――お、これはイタ車乗りとして声を大にして言いたいところですね。

西坂 EVに乗るっていうのは、なにか新しいことをしてるっていう気分にもなれるから、ライフスタイルの幅が広がるとは思いますけどね。

――エンジンのない1300ジュニアは考えられないと。

西坂 もちろんです。

中野 俺も914はコンバートしたくないですね。足車はいくらでも電気にしたいなと思いますけど。BMW i3とか欲しいなと思うし。

i3▲こちらがBMW i3

――i3の名前が出ましたが、EVに限らず今出ている新車でいいなと思うものありますか? 旧車に乗る若者が惹かれる新車ってどんなものなんでしょう?

中村 NDロードスターですね。1回試乗させてもらったんですけど、すごい衝撃的におもしろかったんで、買えるものなら買いたい。

中野 ステップワゴンのエアー。あれ見た目かっこいいですよね。

山北 日産 アリアとかサクラ。センターコンソールのセレクトレバーがなくなったことで、高くて絶壁のようだったったインパネが低くなって、開放的な内装になりましたよね。安全性とかもあると思うんですけど、技術の進化を内装に生かしてるっていうのはいい流れだなと思います。

ゆき ノートオーラはちょっとときめきました。

佐々木 ああ、いいよね。欲しい。あとサクラもいいと思う。

アリア
サクラ
ノートオーラ▲上から日産のアリア、サクラ、ノート

――おや、日産がアツい?

佐々木 日産とホンダがアツい。

ゆき うん、フィットも。

佐々木 フィットめっちゃいいですよね。

中野 新型Zも。

――トヨタのGRとかはどうですか?

中村 僕はかなり好きなんですけど、もともとスポーツカーが好きなんで、GRヤリスとかちょっと頭の悪い感じがすごい好きなんですよ。

佐々木 でもやっぱり、旧車乗りは新車に求めるものは快適性なことが多いんじゃないかな。だって新しい車がやんちゃしても、旧車の楽しさにはかなわないので。

ゆき だから、新車は近くのディーラーで点検整備を受けられて安心して走れれば、もうそれでオッケーみたいな。
 

ゆき

佐々木 絶対壊れないみたいなね。国産旧車の人が来てればもうちょっと反応が違ったんじゃないかなとは思いますね。

西坂 だから、僕は新しいのでいえばプジョーの208とかああいうの欲しいなとちょっと思いますね。東京に住んでたらあのくらいのサイズがちょうどいいんですよね。

佐々木 コンパクトでプレーンで快適。

中村 なんなら何にも付いてないくらいの。

佐々木 何も付いてない方が評価が高くなるのわかりますね。

中村 僕も足車はアルトバン。パワーウインドウすらいらない。エアコンだけあればいい。壊れないのが大事。

――いろんな装備が付いてると故障の原因になると?

中村 そういう思考回路になっちゃってる(笑)。

一同 (笑)。

山北 古い車に乗ってると、パワーでも装備でも全部を使い切ってすべてを楽しんでる感覚があるんですけど、今の車はなかなかそういうのがないんで、使いこなしてない感じがして。そう考えるとベースはごくごくプレーンにして、必要なものだけ選択できるといいなと思いますね。アプリじゃないですけど。

――たしかにiPhoneの最上位機種の機能をすべて使いこなしてる人はほとんどいないですよね。旧車乗りにとってEVは車というよりスマホ感覚なんですかね。

西坂 この前テスラに乗ってる人が、朝起きたらアップデートされてて20馬力上がってたって(笑)。そういうことがあるのか!って驚いたよ。

モデル3▲こちらはテスラのモデル3

――みなさん車好きだから、EVだったらポルシェ タイカンとかハイスペック系が人気を集めるのかなとも思ったんですけど。

西坂 EVだったらシティコミューターの方が相性がいいというか、相棒感があるというか、僕らが乗ってるような車とはまた違ったものとして楽しめる。僕はタイカンとかeトロンみたいなものよりも、小さなシティコミューターの方がいい気がしますね。ペット感がある、500eとかちょうどいい感じもしますよね。

佐々木 新車か……でも機能的になにか欲しいとか、そういうのはあんまり……。

中村 現状に満足しちゃってるっていうのはありますよね(笑)。

――たしかに趣味の旧車と足車があれば、欲しいものはもうみんな持ってますもんね。

中野 うん、そういうことかな。
 

文/竹井あきら、写真/阿部昌也、尾形和美、日産、BMW、テスラ 取材協力:リバイバルカフェ(〒238-0114 神奈川県三浦市初声町和田2650‐3)
 
竹井あきら

ライター

竹井あきら

自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してから次期愛車を物色しつつ、近年は1馬力(乗馬)に夢中。