マツダ CX-30(現行型)▲全長4395mmながら全幅は1795mmとグローバルモデルらしく、5ナンバーサイズより、実際の街での取り回しやすさを優先して開発された。ライバルのC-HRやヴェゼルに対し、最も低い全高1540mmで、都市部の立体駐車場に収まる

ライバルより全高が抑えられたMAZDA3ベースのSUV

マツダのコンパクトSUV、CX-30。名前からすると同社のCX-3の派生モデルのようだが、CX-3がMAZDA2をベースにしているのに対し、CX-30はMAZDA3がベース。

そのため全長はCX-3より100mm以上長いが、それでも全長4.4mだからトヨタ C-HRやホンダ ヴェゼルといったコンパクトSUVとほぼ同じサイズ感だ。

デビューは2019年10月と、まだ3年ほどしか経っていない新しめのモデルだが、中古車平均価格は順調に値落ちが進んでいる。

ここ1年では、約13万円ダウン。直近4月には過去最安値の257.6万円を記録し、お買い得感が出てきた。

そんなCX-30だが、今ならどんな物件を狙うべきか? 中古車相場とモデル概要を振り返りつつチェックしていこう。

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マツダ CX-30(現行型)×全国
 

中古車台数が増加したことで価格が下がり、狙い目になってきた

2019年9月にデビューしたCX-30。2020年に入ると中古車の延べ掲載台数が増加し続け、2022年初頭には920台まで達した。

その後、少し減ったがそれでも2021年4月時点で724台。2020年4月は155台だったから、2年で約570台も増えたことになる。

CX-30の延べ掲載台数推移グラフ▲2020年春以降、一気に掲載台数が増加。最近は増減があったものの、700台以上と潤沢な台数をキープしている

欲しい人の需要と、供給(中古車の台数)のバランスで決まるのが中古車の価格。

台数が増えたことで着実に下がり続け、2020年4月時点で288.6万円だった平均価格は2022年4月の時点で257.6万円と30万円以上ダウン。1年前の2021年4月の270.2万円と比較しても、13万円ほど値を下げたことになる。

CX-30の中古車価格推移グラフ▲延べ掲載台数に反比例するような形で変動している中古車平均価格。直近4月には過去最安値を記録している

台数増加の要因は、2019年に購入した人が初の車検を前に手放したり、2021年4月に登場したライバルのホンダ ヴェゼルなどに乗り替えたりすること、自然に増えたと考えられる。

ここ3年間では最も安くなり、台数も多くて選びやすいタイミング。中古車の平均走行距離も約1万4000kmと、良コンディションを期待できる物件が選びやすい状況だ。

CX-30が気になっているのなら、ぜひこのタイミングでチェックしてみよう。

 

3つのエンジンが用意されたコンパクトSUV

CX-30(現行型)▲渋滞時などに前方車への追従走行とステアリングのアシストまで行ってくれるクルージング&トラフィックサポートが一部グレードに標準、またはオプションで用意された。当初作動速度域を上限55km/hとしていたが、2021年9月に高速域まで引き上げられた

では、現行型CX-30のどのモデルを狙うべきか。モデル概要を確認しておこう。

2019年9月に、CX-3とCX-5の間を埋めるように登場したCX-30。MAZDA3をベースにしつつ、ホイールベースを70mm縮め、ライバル同様全長4.4m以下に収まるよう開発された。

搭載されたエンジンは3種類。2Lガソリンの「スカイアクティブ-G 2.0」と1.8Lディーゼルターボの「スカイアクティブ-D 1.8」、そして2Lガソリン+小型モーターのマイルドハイブリッドである「スカイアクティブ-X 2.0」だ。

ガソリンエンジンのG 2.0とX 2.0は6速ATと6速MTが、ディーゼルのD 1.8は6速ATが組み合わされた。また、全グレードに2WDと4WDが用意されている。4WDは走行状況に応じて自動的にトルクを配分してくれるフルタイム4WDで、スタック時に脱出しやすくなる「オフロード・トラクション・アシスト」が備わる。

衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロール(AT車は全車速追従機能付き)、レーンキープアシストシステムなど先進安全運転支援機能は、全車に標準装備されている。

CX-30(現行型)▲コーナリング時や、荒れた路面でも狙いどおりのラインをスムーズに走ることができるGベクタリングコントロールプラスが全車に標準装備された
CX-30(現行型)▲8.8インチセンターディスプレイは全車に標準装備。SDカードを使って純正ナビ化できる他、Apple CarPlay・Android Autoにも対応。上級グレードは運転席&助手席が電動パワーシートになる
CX-30(現行型)▲インテリアのトリムは写真のネイビーとブラウンが選べた(20Sはネイビーのみ)。Lパッケージと付くグレードのブラウン仕様は本革シートになる
CX-30(現行型)▲ラゲージ容量は通常時で430L。パワーリフトゲートは20Sを除く全車に標準で装備された。大きな荷物でも積み降ろししやすいとして、開口部下端の高さを地上から731mmにしている

2020年12月以降、たびたび一部改良が行われているが、エンジン特性や燃費の向上、足回りの改良などがメインで、外観上の変更はない。

当然改良後のモデルの方が走行性能は優れているが、当然中古車価格はまだ高め。

そして、まだ新しいモデルと言うこともあり、先進安全運転支援機能などは最初から全車標準装備であるなど、改良前の初期型でも十分満足できるはず。ここの選択は予算と相談したうえで決めてほしい。

 

とにかく安く狙いたいなら、「20S プロアクティブツーリングセレクション」を!

とにかく安くCX-30が欲しいなら、普通であれば最も廉価グレードの「20S」となるところだが、執筆時点では残念ながら台数は極少。

そこでオススメなのが、次に安く狙える「20S プロアクティブツーリングセレクション」だ。グレード別の台数では最も多く、CX-30全体の2割以上を占め選びやすい。

そして、20Sよりも装備が優れているにも関わらず、実はそこまで価格の差がほとんどないのだ。

原稿執筆時点で見ると、2019年式・修復歴なし・走行距離約1万kmでも、平均価格よりもだいぶ安い車両本体価格約200万円/支払総額約220万円程度から見つけることができる。

ちなみに、中古車の価格だけ見ると、実は1.8Lディーゼルターボの1.8XD Lパッケージとほぼ同じ価格帯。しかし、走行距離が短いのは20S プロアクティブツーリングセレクションの方だ。

つまり価格重視で選んでも、良コンディションを期待できそうなのは、やはり「20S プロアクティブツーリングセレクション」いうわけだ。

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マツダ CX-30(現行型)×「20S プロアクティブツーリングセレクション」×修復歴無し×全国 ※価格昇順
 

機能の充実さで選ぶなら、「2.0X Lパッケージ」がオススメ!

コストパフォーマンスで選ぶなら、スカイアクティブXを搭載した「2.0X Lパッケージ」を狙ってみてはどうだろうか。

このグレードの最大の特徴は、火花点火制御圧縮着火(SPCCI)という技術を実用化した先進のエンジンが搭載されていること。

このエンジンは、「ガソリンとディーゼルのいいとこ取り」と評されることが多いが、その分新車価格が高かったのがネック。

デビュー時の車両本体価格は347万7100円(2WD)で、同程度のガソリン、ディーゼルモデルと比べ50万~70万円程度高かった。

しかし中古ではその差も縮まり、原稿執筆時点で見ると、2019年式・修復歴なし・走行距離約0.1万kmでも、車両本体価格約220万円/支払総額約230万円から見つけることができる。これは、実に120万円以上もの値落ちだ。

そして、このLパッケージには本革シートが備わるのが最大の特徴。合わせてルームミラーがフレームレスになるなど、上質なインテリアが備わる。

1.8LディーゼルターボのXD Lパッケージにも同じくらい値落ちている中古車もあるが、走行距離は約4万km。となれば、やはり2.0X Lパッケージのお買い得感は高いだろう。

装備面では、ほぼフル装備という状況だから、購入して不満が出ることは少ないはずだ。

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マツダ CX-30(現行型)×「2.0X Lパッケージ」×修復歴無し×全国 ※価格昇順

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マツダ CX-30(現行型)×全国
文/ぴえいる、写真/マツダ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。