三菱 トライトン▲2023年にモデルチェンジし、日本には13年ぶりに導入されたピックアップトラック。ラダーフレームを採用した本格オフローダーだ。日本では後席を備えた4ドアのダブルキャブ仕様が販売される

走破性だけでなく日常の扱いやすさに注目を

三菱のピックアップトラック「トライトン」が、日本で再び発売された。前回は2006年から2011年までと短い期間での販売だったが、国内ではこのカテゴリーのモデルが消え去っていたこともあって注目を浴びた。そして、トヨタのハイラックス再導入を追うかのように、新型登場を機にトライトンが再登場することとなった。

ピックアップトラックながらトライトンの特徴は、多目的たるスポーティテイストとのバランスの良さにある。こう書くと、クロスオーバーモデル的な進化を想像されるかもしれないが、ベースとなっているのはラダーフレームとボディを別体とした構造による高い走破性、信頼性。それらをバランスさせることは難しいのだが、新型は日常域における不満を取り除いていた。ボディサイズは、日本で乗り回すのには少々大きい。ただし、それさえ目を瞑れば、こんなにも走りが楽しい、そして、こんなに使えるモデルはない、そう感じさせてくれる1台ともいえる。

内外装はクールさを狙ったデザインがまず印象的だ。BEAST MODE(勇猛果敢)をデザインコンセプトとして、エクステリアでは、ROBUST(頼もしく存在感のある)、ATHLETIC(エアロダイナミクスを追求した機能性)を、ピックアップトラックにまとめ上げた。フロントマスクは、三菱のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用し、カッコいいと感じさせるテイストだけではなく、ランプやグリルの位置や形状といった機能性も突き詰めている。インテリアは、PROFESSIONAL(視認、操作に優れた実用性)を特徴としているが、すっきりとしたレイアウトも印象的。特に、視認性についてはボディサイズの大きさを感じさせない。ピックアップトラックは様々なボディを組み合わせられるが、日本仕様はキャビンの居住性とベッド(荷台)の広さをバランスさせたダブルキャブのみとなる。
 

三菱 トライトン ▲スタビリティ&トラクションコントロール(ASTC)や運転支援機能(e-Assist)なども備わる

運転してすぐに伝わってくるのは、日常での扱いやすさだ。ハンドリングは電動パワーステアリングを採用したといっても、やはりラダーフレーム(ボディ別体)ゆえの曖昧さは残る。しかし、反応のテンポ遅れやいい加減さを助長しておらず、そこにもしっかりとリズムを刻み込んでいるため、ドライビングが楽しい。また、ホイールベースが長いにも関わらず、後輪が遠くにあるような感覚を抱かせないところなども好印象。さらに、マルチアラウンドモニターが周囲の状況を表示してくれるため、取り回しは(サイズに関すること以外)不満を感じることはない。

そして、ブッシュを介して接続されるためどうしてもダイレクト感が薄くなってしまうラダーフレームながら、タイヤやサスペンションとの一体感に富んでいることも印象的だ。しっかりとタイヤの接地感を確保しているし、ステアリングギア比がクイックになったことを感じさせず、むしろ意のままに操れる感覚を提供してくれることも相まって、これって、ピックアップトラックだったよな? と思わせるほどの仕上がりとなっている。

さらに感激するのは、乗り心地だ。いくら、日常性能を高めたといっても、ピックアップトラックはベッドに荷物を積載することがデフォルト。空荷状態での乗り心地と、積載状態での安定性をバランスすることは難しい。しかし、新型ではリーフスプリングの枚数を3枚としながら、ショックアブソーバーの容量を増やすことなどで対応。空荷状態でもリアシートの乗り心地に大きな不満は出ないレベルまで抑え込んでいる。ダカールラリーで2年連続総合優勝を果たした増岡浩さん(アジアンクロスカントリーラリー総監督)にうかがうと、荷物を積むことで乗り味はさらにしっとり感が増すんですよ、と教えてくれた。
 

三菱 トライトン▲トルク感応式LSDを備えたスーパーセレクト4WD-IIは、走行中でもダイヤル式セレクターでモード変更が可能

ワインディングでは、ピックアップトラックだとコーナー手前でかなり速度を落としたいと感じるものだが、新型はそういった不安要素は皆無。速度域に合わせたロール量とフィーリングで、タイヤのグリップ感も楽しみながらスーッと曲がっていくことができる。これは素性の良さもあるが、新採用されたAYC(アクティブヨーコントロール)のアシストもあってのことだ。高速域ではロングホイールベースモデルらしく高い直進安定性が印象的だが、先のハンドリングや乗り心地のよさも相まって、快適性も増していく。

もちろん、オフロード走破性はハイレベル。駆動システムは、国内ではパジェロにも採用されてきたスーパーセレクト4WD-IIを搭載。オンロードの極低速域におけるコーナーでのギクシャクを感じさせない4Hモードを備えていることで、ゲリラ豪雨や強い横風に見舞われたときなど、常に4WDの恩恵に授かることができる。もちろん、オフロード走破性に必要な大きな駆動力を提供する4LLc、燃費性能を期待できる2Hも備えている。

サスペンションは、タイヤができる限り路面から離れないようにと果敢に伸びるチューニングで、見馴れない人だと「タイヤが外れる!? 」と叫びたくなるような動きを見せる。しかも、縮みのセッティングも秀逸であり、タイヤがボディに食い込んでしまうのではないか、と思えるほどに接地性を高めている。それでもタイヤが浮いてしまうようなシーンでは、エンジン出力、ブレーキ制御などによって走破性をアシスト。また、ドライブモードを任意に切り替えることでハードなシーンはもちろん、市街地での快適な走りまでを提供してくれる。走破性をさらに引き上げてくれるのが標準装備されるリアデフロック機能。リアデフの作動を強制的に止めてしまうため、無理矢理に不整地を走っていくかのような強引さがあるが、どうしても脱出できないようなときに最終手段として使う大事な装備だ。

オンロードでは日常で使える快適さにあふれ、山道では操る楽しさがあり、オフロードでは走破性という頼もしさがある新型トライトン。ピックアップトラックを使い倒したいと考えている人はもちろん、所有したらライフスタイルを広げられそう、そう感じてしている人にもぜひオススメしたい。海外製カヤックを積載するためにはこの長さが必要なんだ、と言う筆者の知り合いがいる。そう、「全長なんかどうにかなるさ」、このモデルをとことん楽しむためにはそんな前向きなスタンスも必要かもしれない。
 

三菱 トライトン▲上級グレードのGSR(写真)はフェンダーアーチモールやスタイリングバー、ベッドライナーなどを標準装備する
三菱 トライトン▲GSRはボディ同色のフロントグリルを採用。ダークチタニウムのアンダーガードが備わる
三菱 トライトン▲ベッド(荷台)の積載量は500kg。荷台高を旧型より45mm低い820mmとして使い勝手を向上させた
三菱 トライトン▲新開発の2.4L 直4ディーゼルターボエンジンには、回転数と負荷に応じて2つのタービンを協調させる2ステージターボシステムが採用される
三菱 トライトン▲悪路走行時などに車体姿勢の変化を掴みやすい水平基調のデザインを採用。乗員を保護するため、要所にソフトパッドを用いている
三菱 トライトン▲フロントシートはドライバーが疲れにくいように、腰回りをしっかりサポートしつつ肩回りは動きやすい形状とされた
三菱 トライトン▲後席はリクライニングやスライド機能はないものの、十分な広さを確保。GSRにはオレンジステッチの入ったレザーシートを標準で採用する

▼検索条件

三菱 トライトン (現行型)× 全国
文/吉田直志 写真/三菱自動車

ライバルとなるトヨタ ハイラックスの中古車市場は?

トヨタ ハイラックス

トヨタがグローバル展開するピックアップトラック。ラダーフレームにリーフリジッドのリアサスペンションを採用した本格仕様だ。タイで生産される現行型は、2017年より日本でもダブルキャブ仕様が販売されている。2.4Lディーゼルエンジンを搭載、ベッドの最大積載量は500kg。2021年には走行性能を高めたGRスポーツが追加されている。

2024年4月中旬時点で、中古車市場には610台ほどが流通、価格帯は270万~650万円となる。GRスポーツは190台ほどが流通している。
 

▼検索条件

トヨタ ハイラックス(現行型)× 全国
文/編集部、写真/トヨタ

【試乗車 諸元・スペック表】
●2.4 GSR ディーゼルターボ 4WD

型式 3DF-LC2T 最小回転半径 6.2m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 5.36m×1.93m×1.82m
ドア数 4 ホイールベース 3.13m
ミッション 6AT 前トレッド/後トレッド 1.57m/1.57m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.77m×1.54m×1.18m
4WS - 車両重量 2140kg
シート列数 2 最大積載量 500kg
乗車定員 5名 車両総重量 2915kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.22m
マニュアルモード
標準色

グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカ

オプション色

ヤマブキオレンジメタリック、ホワイトダイヤモンド

掲載コメント

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型式 3DF-LC2T
駆動方式 4WD
ドア数 4
ミッション 6AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカ
オプション色 ヤマブキオレンジメタリック、ホワイトダイヤモンド
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 6.2m
全長×全幅×
全高
5.36m×1.93m×1.82m
ホイール
ベース
3.13m
前トレッド/
後トレッド
1.57m/1.57m
室内(全長×全幅×全高) 1.77m×1.54m×1.18m
車両重量 2140kg
最大積載量 500kg
車両総重量 2915kg
最低地上高 0.22m
掲載用コメント -
エンジン型式 4N16 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 75リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 2439cc 燃費(WLTCモード) 11.3km/L
└市街地:8.5km/L
└郊外:11.4km/L
└高速:13km/L
燃費基準達成 -
最高出力 204ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
470(47.9)/2750
エンジン型式 4N16
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 2439cc
最高出力 204ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
470(47.9)/2750
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 75リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 11.3km/L
└市街地:8.5km/L
└郊外: 11.4km/L
└高速: 13km/L
燃費基準達成 -